みなさんこんにちは。
編集長の水口です。

先日、こちらの記事でも紹介したように、「有鄰庵」さんで開催されていた”地域に必要とされるゲストハウス開業のための合宿”に参加してきました。「有鄰庵」中村さんがゲストハウスを始められたきっかけも含めて、今回はイベントレポートを書いてみたいと思います。ゲストハウス開業を検討されている方にとっては、とっても大切なことを教えていただきました。
開業合宿の様子。

開業合宿の様子。




愚痴を言うのはもうやめよう。街をよくするのは自分。客観から主体へ。


以前は会社員だった中村さんが「有鄰庵」を始めたのは、旅をした時に泊まったある宿の宿主の豊かな生き方に触れたからでした。古く立派な町並みが綺麗に保存されている倉敷美観地区。ずっと昔から街の人々に支えられてきましたが、実はその主力となって地域を盛り上げていたのは60代~70代の方々でした。しかし、地域のことを考えると若手世代の育成も不可欠。さらに、外部からの視点も必要とのことで、あえて地元ではないという意味で"よそ者"だった中村さんが呼ばれました。

当時会社を経営していた中村さんは、会社が終われば地域の会合に参加する日々。「有鄰庵」となる古民家の運営を任されたことがきっかけで、会社経営との二足のわらじではなく、倉敷の活性化に全身全霊を注ぐことを決めました。


"町づくり"から、"風土づくり"へ。"風"と"土"が混ざり合う「くるま座」を。


本格的に倉敷の活性化に取り組んで10年。中村さんは今、地域活性に必要なのは"風土づくり"だと言っています。"風土"とは、"風"(すなわちその土地に外から訪れる人)と、"土"(すなわち地元に根ざしている人)の交流を意味します。この"風"と"土"が混ざり合う空間を作る場所、そして上座も下座もなくお互いがフラットに語りあえる場所として「くるま座」という言葉を暖簾に掲げました。
暖簾に刻まれた「くるま座」の文字。

暖簾に刻まれた「くるま座」の文字。



この「くるま座」というスタイルが、今回の合宿のテーマに紐付きます。"風"と"土"の双方の満足度の高い地域になるための「くるま座」の役割をゲストハウスが担えるというのです。地域の方々がゲストを歓迎しおもてなしをしてくれることで、結果、ゲストもまちを暮らすように滞在する事が出来て満足度が上がる。この機能を兼ね備えることで初めて"地域に必要とされる"ゲストハウスになると中村さんは言います。


できることを増やすよりも、できないことをやらないこと。


合宿中にとても印象に残っているのがこの言葉です。地域に必要とされるために、そして継続してゲストハウスを運営するために大事なことは、「できることを増やすよりも、できないことをやらないこと」。100人のゲストが喜んでくれても、隣に住む1人の方が"嫌な思い"をされた途端に、そのゲストハウスは"地域に必要とされなく"なるとのこと。
大事なのは、多くの人を受け入れることよりも"風"と"土"がしっかりと混ざり合うこと。その前提に立って考えれば当然のことなのですが、結構忘れてしまうことなのかもしれません。

この交流がうまくいけば、ホストである地元の人は厚くゲストをもてなし、ゲストはまたこの地域に戻ってきたいと思う好いサイクルが生まれる、と中村さんは言います。
ゲストハウス運営に必要な考え方を教える中村さん。

ゲストハウス運営に必要な考え方を教える中村さん。




ゲストハウスとして提供できるものを明確に。


「できないことをやらないこと」というのと近しい意味ですが、提供できる価値を明確にすることも大事だという話がありました。例えば、「有鄰庵」はエアコンがありません。それは"四季"を感じてもらうゲストハウスにしたいからという理由です。エアコンがない代わりに、夏は蚊帳を、冬は湯たんぽをゲストの方々に体験していただくのだそう。このようにわかりやすくすることで、訪れるゲストも同じような趣味思考を持つ人が集まり、結果的にゲスト自身の満足度が高くなるそうです。
冬には一人一人に湯たんぽが配られます♪

冬には一人一人に湯たんぽが配られます♪




このように明確に言葉で伝えられると"なるほど、確かに"と思ってしまうノウハウの数々。そして、まだまだ語り尽くせないほどの、"地域に必要とされる"ために必要な考え方や仕組みの紹介がありました。この記事では細かいところまで全てお伝えすることはできませんが、ゲストハウスの開業を検討されている方なら"知っておくべき"ことばかりです。定期的に開業合宿は開かれているようなので、是非参加してみてはいかがでしょうか?
Writer ライター

Takayuki Minakuchi

Takayuki Minakuchi

「COMINCA TIMES」編集部。京都の祖父母の家は築数百年の茅葺屋根。